私の研究室では、現在、主として交通科学、バーチャルリアリティ・ヒューマンインタフェースの2つのテーマで研究活動をおこなっています。私が令和8年度末に定年退職予定であるため、新しい研究生や大学院生の受入は実施しておりません。
卒業論文・修士論文・博士論文一覧
自動車産業は今、大きな転換期、発展の時期を迎えています。研究室では、ドライバー、乗員の観点から、自動車の研究を行っています。たとえば、ドライバー支援の問題があります。覚醒水準が落ちているドライバー、注意力が散漫になっているドライバー、高齢ドライバーに適切な支援をおこなうことで、事故を防止し、自動車を楽しむことができます。
最近、自動運転の話題がニュース等で流れますが、そう簡単には完全自動運転は実現できません。当面は部分的な自動運転の時代が長く続くと考えられます。しかし、この部分的自動運転には多くの解決すべき問題が潜んでいます。自動運転システムが機能不全を起こした場合は人間(運転席に座っている者)が運転することになりますが、急に運転することになっても対応できないだろうと思います。さらに、自動運転車と他の交通参加者がどのように意思疎通を行うのかも解決すべき課題となっています。
また、社会貢献、地域貢献として、交通事故防止のための講習・講演やマスコミ各社の取材に対する協力を行っています。
交通科学の教育研究は、大学院統合新領域学府オートモーティブサイエンス専攻でも行っています。
- ドライバーへの効果的な情報提供方法
- 自動運転レベル3(SAE)における運転権限移譲問題
- 人と自動運転車のコミュニケーション問題
オートモーティブサイエンス専攻のドライビング・シミュレータ
研究室のドライビング・シミュレータPタイプ
研究室のドライビング・シミュレータAタイプ
研究室のドライビング・シミュレータBタイプ
無線通信による運転挙動の収集と管理や教育のイメージ図
共同研究
- 『次世代ADAS開発のための運転支援システムに関する研究』 マツダ株式会社,令和6年度
- 『自動運転システム並びに運転支援システムに関する研究』 マツダ株式会社,令和5年度
- 『情報提示システム並びに自動運転システムに関する研究』 マツダ株式会社,令和4年度
- 『ドライバー支援に関する研究』 マツダ株式会社,令和2〜3年度
- 『安全運転支援システムの機能限界時におけるハンドオーバー問題』 マツダ株式会社,平成31年度
- 『安全運転支援システムの機能限界時におけるハンドオーバー時間』 マツダ株式会社,平成30年度
- 『自動車運転時の注意力維持に関する研究』 マツダ株式会社,平成29年度
- 『自動車運転時の自己主体感に関する研究』 マツダ株式会社,平成29年度
- 『自動車運転者の状況認知に関する研究』 マツダ株式会社,平成28年度
- 『自動車の運転操作と自己主体感に関する研究』 マツダ株式会社,平成28年度
- 『自動車運転者の運転特性解析に関する研究』 マツダ株式会社,平成27年度
- 『運転者が理解しやすい警報システムに関する研究』 マツダ株式会社,平成26年度
- 『安全運転のための、ドライバーモニタリングシステムの開発』 株式会社パラマ・テック,平成23年度
- 『インパネ廻りの印象評価法の開発』 トヨタ自動車九州株式会社,平成23、24年度
- 『運転場面における注意の配分に関する研究』 UDトラックス株式会社,平成21~26年度
- 『大型車両運転時における運転の危険性評価に関する研究』 日産ディーゼル工業株式会社+福岡工業大学,平成21年度
- 『運転者心理に基づく安全運転支援に関する研究』 日産ディーゼル工業株式会社,平成20年度
- 『テレマティクス技術を利用した安全運転支援に関する研究』 日産ディーゼル工業株式会社,平成19年度
競争的資金等
- 自動運転車と人のコミュニケーション.文部科学省科学研究費補助金令和6-8年度基盤研究C(一般),2024-2026.研究代表者(単独)
- 自動運転における権限移譲問題.文部科学省科学研究費補助金令和3-5年度基盤研究C(一般),2021-2023.研究代表者(単独)
- 高齢者の自動車運転事故防止のための研究.文部科学省科学研究費補助金平成27-30年度基盤研究C(一般),2015-2018.研究代表者(単独)
- 認知状態共有による交通事故低減技術の研究開発.総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)平成23-25年度ICT安心・安全技術,2011-2013.研究分担者(研究代表者:内海
章)
- 自動車運転者の運転特性の分析.文部科学省科学研究費補助金平成21-23年度基盤研究C(一般),2009-2011.研究代表者(単独)
バーチャルリアリティには心理学的に非常に興味深い、まだ研究がおこなわれていない領域がたくさんあります。私の研究室では、バーチャルリアリティと心理学の両方が関係するような研究を行っています。
バーチャルリアリティ空間を作成するときには、どうしても現実空間と同一には作成できない部分が出てきます。その部分を何らかの工夫を施すことで、回避しているのが現状です。たとえば、バーチャルリアリティ空間内での歩行移動を例にとると、コントローラを使って移動したことにするという方法が一般的ですが、実空間ではありえない移動方法です。もっと良い移動方法があるように思います。
また、バーチャルリアリティ空間で自分自身のアバターはどのように認識されているのでしょうか。調べてみると面白いことがわかりそうです。
- 自己身体所有感
- 擬似重量感
- 自己重複空間
- 移動方法
身体所有感実験
多重解像度立体映像を撮影するカメラシステム
受託研究
- 『スマートデバイスのアプリ開発環境に関する研究』 関西電力株式会社,平成26~27年度
- 『小型携帯端末のユーザインタフェースの高度化研究』 関西電力株式会社,平成24~25年度
- 『ユーザインタフェースの高度化研究』 関西電力株式会社,平成21~23年度
競争的資金等
- リアリティ追求を目的とした多重解像度システムに関する研究.文部科学省科学研究費補助金平成17-18年度基盤研究C(一般),2005-2006.研究代表者(研究分担者:松木裕二)
- 立体映像における人の空間認識特性と空間認識精度に関する研究.文部科学省科学研究費補助金平成14-15年度基盤研究C(一般),2002-2003.研究分担者(研究代表者:松永勝也)
- 人間の視覚特性を利用した遠隔操縦用ヒューマンインタフェースの実用化.文部科学省科学研究費補助金平成13-15年度基盤研究B(展開),2001-2003.研究代表者(研究分担者:松永勝也他)
- 仮想現実感構築法に関する研究.文部省科学研究費補助金平成11-12年度基盤研究C(一般),1999-2000.研究分担者(研究代表者:松永勝也)
- 人工現実感環境における眼球運動測定と疲労の少ない人工現実感環境の研究.文部省科学研究費補助金平成10-11年度基盤研究B(展開),1998-1999.研究代表者(研究分担者:松永勝也他)
以下は過去の研究テーマです
- 瞳孔変化や瞬目、眼球運動などを計測することによる感性評価
- 立体視機能についての研究
- 運動プログラミングなどの反応プロセスについての研究
食品の外観から生じる心理印象のイメージ図
ケーキを評価した実験の画面例
共同研究
- 『インパネ廻りの印象評価法の開発』 トヨタ自動車九州株式会社,平成23、24年度
競争的資金等
- 味覚・嗅覚・視覚融合バイオセンサシステム.文部科学省科学研究費補助金平成23-25年度基盤研究A,2011-2013.研究分担者(研究代表者:都甲
潔)
- 運動反応の心理メカニズム.文部省科学研究費補助金平成10年度研究成果公開促進費(一般学術図書),1998.申請者(単独)
- 運動反応の選択過程に関する研究.文部省科学研究費補助金平成9-10年度奨励研究(A),1997-1998.研究代表者(単独)
生体計測・人間工学・生理心理学
身体の動きや形を計測する場合と計測結果から心的過程を推定する場合があります。メディカルウォーク開発のための膝計測や足底面計測器の開発は㈱アサヒコーポレーションとの共同研究です。
競争的資金等
- 発達障害児における瞬目抑制・発生タイミング.文部科学省科学研究費補助金平成30-32年度基盤研究C(一般),2018-2020.研究分担者(研究代表者:福田恭介)
- 眼球運動・瞬目反応を用いた発達障害児の心理過程アセスメント.文部科学省科学研究費補助金平成26-28年度基盤研究C(一般),2014-2016.研究分担者(研究代表者:福田恭介)
- 瞬目の非侵襲的記録システムによる興味・関心の検出.文部科学省科学研究費補助金平成22-24年度基盤研究C(一般),2010-2012.研究分担者(研究代表者:福田恭介)
- 記憶負荷をともなうビジランス多重課題中における瞬目活動.文部科学省科学研究費補助金平成18-19年度基盤研究C(一般),2006-2007.研究分担者(研究代表者:福田恭介)